マラセチアは、人や動物の皮膚に存在しているごくありふれた常在菌です。普段はおとなしく、皮脂腺から出る皮脂を食べて生息しています。
マラセチアが何らかの原因で増殖すると、マラセチア皮膚炎を始めとする皮膚のトラブルに繋がることも少なくありません。生まれながらにして、マラセチアが増えやすい体質のワンちゃんもいます。
皮膚炎は局所的あるいは全身的に発症します。主要な症状として強い痒み、その他には皮膚の赤み、フケ、べたつきや脱毛などがみられます。またほとんどの症例から独特な悪臭がするようになります。
写真提供:きくざきペットクリニック菊崎友隆先生
ひどく痒がることから来院したシーズー。首周りや前腕部の皮膚に赤み、脱毛などがみられました。
特に前腕部の症状が重度で、脱毛部位の皮膚が黒ずんだり、分厚くなっていました。
皮膚炎が慢性化すると、これらの症状がみられ、マラセチアに対する持続的な治療が重要となります。
その他、下記の犬種がマラセチア皮膚炎になりやすい犬種です。
ビーグル、チワワ、コッカー・スパニエル、ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザー、ウェストハイランド・ホワイト・テリア、シーズー など
しわの多い犬種(フレンチブルドッグやパグ)なども、しわの間にフケやアカがたまりやすくマラセチアが増殖しやすいと言われています。